まさかの事件

今日も梅雨独特のどんよりした一日・・・

「なぁ~んだ、今日もぐずついた天気かよ はぁ~あ」
ここ数日、孫の子守りやら歯医者通いでやや疲れていたアタシは横になって休んでいた

それからウトウトして間もなく・・・
昼頃だっただろうか、電話のベルが鳴り、
しばらくすると、受話器を持ったお婆さんの尋常ではない慌てた声で起こされた

「大変だ!○○が事故にあったって!」 ←○○とは娘の名前

寝ぼけまなこで受話器を受け取ると
「実はお宅の○○さんが急に道路から飛び出しましてね」 という男の声

アタシはその時、てっきり病院からの電話だと思っていた


しかし話を聞いていると、どうやらこういうことらしい

道路から急に飛び出した娘が車にぶつかり、
逃げようとした娘をとっ捕まえて拉致・監禁
ぶつかったことが原因で出来た車の傷の修理代として190万用意しろと・・・
もし警察や他の人に連絡するようなことがあったら、娘をぶっ殺すと・・・

ヤクザを装うその男は、時々、組長と名乗る他の男に電話を代わり脅しをかけてきた

こういうことがあるとは、よく話に聞いていたが、まさかウチがこんなめにあうとは・・・

金銭目的だということは、はなからわかっていたが、
もし万が一、その男が本当のヤクザだとしたら・・・
それに娘の名前も知っていたし・・・

なんとかしなくては こういう場合どう対処したらいいんだろう 娘は本当に無事なんだろうか

色んな思いが、真っ白になったアタシの頭の中でグルグルグルグル回り続ける

その間にも男の声が容赦なく耳に飛び込んでくる
「指示するのに必要だからアンタの携帯の番号を教えろ!」

とっさにアタシは 「今、携帯の調子が悪く充電もなくなりかけてるんですけど」

「っるせぇーんだよ! もたもたしてるんじゃねぇ! さっさと教えなければ娘の爪を一枚一枚剥がしてその泣き声を聞かせてやってもいいんだぜ!」


携帯の番号を教えるとすぐにかかってきて、さっそく男からの指示が出る

家の電話の受話器は切らずにそのまま置き、携帯を耳にあてたままでいろと・・・

これからすぐに銀行まで行きATMで金をおろし、銀行の前で待つようにと・・・

車2台でそっちに向かうから、アンタにも乗ってもらい、その後金と引き換えに娘とアンタを解放すると・・・

警察に知らせたり、ちょっとでもヘンな真似をしたら娘の指を一本一本切断して送りつけると・・・




最悪だぁ~~~




銀行まで行き金をおろすという、指示された所要時間はたった20分 

どんなにゆっくり歩いても銀行までは15分もあれば着いてしまう 
ここはなんとしても時間をかせがねば・・・

そこでアタシは咄嗟に、
「アタシは車を運転出来なく(本当です)、自転車もパンクして使えず、おまけにここは田舎なので銀行まで徒歩で40分はかかるんです
でも必ずお金をおろして渡しますので、徒歩で行かせてください お願いします!誰にも連絡しませんひとりで行きます! 娘は無事なんですね 本当に無事なんですね!」

その電話の間に、静かに音が漏れないようにそっと殴り書きした 「銀行へ行く 隣の家の電話を借りてレモナパパに連絡して」 のメモを、携帯でのやりとりを一部始終聞いているお婆さんに渡した

というのも、アタシ以上にパニくっているお婆さんより、冷静なレモナパパに連絡した方が、警察やら色々と手配してくれて確実に対処してくれると思ったからだ

静かに行動しないと、なにせ、ちょっとでも変わった音がすると、今オマエ何かヘンな真似しやがったな ざけんじゃねぇーぞ!の荒々しい怒鳴り声が容赦なく耳に飛び込んでくるのだ


「今、玄関の外へ出ました これから銀行へ向かいます」 と相手の男に伝える
すると男から、銀行手前100メートルぐらいのところでまた電話に出ろという指示
その間、携帯はずっと持ったまま

困った・・・ 本当に困った
この時点では、相手が本物のヤクザでないということは断定出来ない
万が一のことを考えたらヘタに行動出来ない

かといって、このまま相手の言うとおりにしたら、金を渡した時点で娘とアタシの命もきっとないだろう

モナの顔がふっと浮かんだ 

それから、レモナパパの顔やら息子の顔やら可愛い孫の笑い顔やら親しい友人の顔やらが
どんよりとした曇り空の中、浮かんでは消えていった

とにかく時間をかせがなくては
銀行手前100メートルのところが勝負だ

意を決して、今、銀行手前100メートル地点に着いたことを携帯で伝える

すると男は、怪しく思われることを恐れ、最初の予定を変更すると言ってきた
なんと指定された口座に振り込む指示が・・・

「あっ! 振り込め詐欺かも!」

そう直感したアタシは
「わかりました 確実に振り込みます 確か170万円でしたよね 頭が真っ白になってわからなくなってしまって どうやって振り込むんですか わからないんです 慌てて支度して家を出たので紙と鉛筆も持っていないんです おぼえられないです わぁーーー!! どうしようどうしよう!!
どうしたらいいんですか 娘の声を聞かせてください! どうしたらいいんですか! ああああぁぁぁーーー!!」

パニくる母親を演じ携帯を切ってしまった

すると、すぐさまかかってきた男からの連絡に 
「すみません 娘を心配するあまり取り乱してしまいました 電波も悪く、いよいよ充電もなくなりかけてきました もし途中で連絡が途絶えてしまったらと思うと・・・ 娘の命だけは助けてください お願いします! 必ず振込みますから助けてください!」 とまたしても慌てる母を演じ、
その間にも、もしもーーーし 聞こえないんです もしもーーーし、と電池切れを装い・・・

そして、
すぐ近くに店があるので、そこで紙と鉛筆を買い、確実にメモして間違いなく振り込めるようにするということを相手に伝えた
すると男は2分だけ待ってやると言う

そこでアタシは、繋がったままの携帯を店の外に置き、急いで店に飛び込み、紙と鉛筆を借り、事情を話し警察に来てもらう様、店主にお願いした

その後、携帯の男に教えられたとおり、振込先をメモする
それを駆けつけた警官に聞こえるように、わざと大声で何度も繰り返す

「携帯を繋がったまま切らずにバッグに入れ銀行で金を振り込み、
銀行から100メートル離れた場所で携帯で知らせろ」

これが男からの最後の指示だった



警官は男が知らせた振込先を見て、「これは間違いなく振り込み詐欺です」 と言う
そしてすぐさまその口座を凍結

ただ、この時点で、まだ娘の安全が確認出来ていないので、なんとか連絡が取れる様急いだ
なにせ娘の携帯にかけても仕事中なので出られないし・・・
仕事先の電話番号も店の名前もわからず・・・

唯一わかっていることは、駅ビル○○内の店に勤めているということだった

でも警察はすごい!
ものの数分で、何千という駅ビル内の店舗から娘を探し出し、その安全を確認したのだ

その知らせを聞き、やっとホッとしたのだった
携帯はもう切っても大丈夫ですよ、との警官の指示にやれやれと胸を撫で下ろす

そしてパトカーで自宅まで送り届けられたアタシは、
数人の待機していた警官に詳しく事情やら状況やらを聞かれ・・・

そんな中、事件はすでに解決しているとは知らないバカ犯人から何度も携帯にかかってくる電話

「あ、きっとあの男だ ちょっと出てもいいですか」 というアタシにコックリと頷く警官

「もしもし・・・」 と言いかけた声を掻き消すような「てめぇー なに時間かかってんだよ!」 のどなり声

それさえ掻き消す大声の 「娘は無事じゃないですか!」 というアタシの声を聞いた瞬間、ツーツーツーと切れてしまった携帯。。。

くっそー もっと怒鳴りつけてやりたかった!


嗚呼、、 それにしても今日はグッタリ・・・だよ・・・・・・



振り込め詐欺は、とにかくすぐに振り込めと言うから絶対にひっかからないもんね、
と、妙な自身があったアタシだったのに・・・

まさかこのような巧妙な手口でくるとは・・・

警察官の話では今回のような超悪質な振り込め詐欺が最近多いらしい
巧みに相手の弱みに付け込み、パニックへ追い込むのだ
そして最後の最後になって振込先を言い、
これは詐欺だとわかっていても、万が一という心配がある限り、
振り込まざるを得ない状況へもっていくのだ

下調べをし、そこの家族構成や名前などもわかったうえでの犯行もあるという

恐ろしや、、恐ろしや。。。


こんなことがあり、夜遅くに帰宅する娘が心配なので、
レモナパパに駅まで迎えに行ってもらった

で、さっき無事に帰って来た娘に「今日は大変だったんだよ 良かったよー 無事で!」 と言うと、
アタシが誘拐だなんて笑っちゃうよね、だと・・・

その一言でグッタリが何倍にもなってアタシの老体に襲い掛かるのだった

ううっ。。。 まさしく悪夢じゃ 
アタシの武勇伝よ、サヨーナラ(ToT)/~~~
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Comment

なんってこった!
ぎゃ~~~~~~~~
凄いエライ事なってましたんやね~σ(^◇^;)
親方様、さぞ、お嬢はんを心配した事ざんしょ

でも機転を利かした「裏技」@途中からの名演技・・
ヤリまんな~( ̄ー+ ̄)ニッ!
流石、J子っ!

・・と、コメ入れられて。。良かったε=( ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄〃)ほっ

ps.きっと、J子は・・ショックのあまり
枯れMODEが進行したかと思われます。
ご自愛プリ~ズ♪
おかんジョリ~ナ~♪
結局、振り込め詐欺だったんだけど、まさかこんな巧妙な手口でくるとは思ってもいなかったよ
だって娘の名前も知ってるし・・・
それに、電話がかかってきたのが昼頃でしょ?
昼休み中での事故かもしれない、という、全く考えられない状況でもなかったし・・・
ヤクザに捕まったんだ~、って、一時頭が真っ白になったよ

心配してくれてありがとうね~
おかんの愛あるコメントに、枯れMODEも一気に快復しました~(^^)v
  • 2008/07/12 23:55
  • レモナママ
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